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夜狐の宴◆二尾目の夜*

2016/07/21 02:13 イベント 旅行・お出かけ 趣味 くらし


一尾目、番外編を混じりつつ二尾目掲載です。


ストーリーテイラー兼司会進行の女狐です。

今回は番外編以外は全て母の実家編です。

前回も書きましたが、決して私と同じ結末になるとは限りません。

くれぐれも真似せぬよう、自分に釘を刺してご覧下さい。

私は誰よりも〈運が良い〉だけなのですから。

夢夢忘れる事なかれ…

それでは夜狐の宴をお楽しみ下さい。




No.5【招く手】

1度だけ母の実家に船で行った事がある。

5歳の私は人生初の船ではしゃいでいた。

母と2人で初めて船に乗って私のテンションは最高潮だった。

船酔いで潰れてる母を置いて甲板に出て海を眺めていた。

おおー!と幼い私は見るもの全てが初めてで何かを見つける度に母のもとへ走っていき魚泳いでた!とかなんとか報告に行っていた。

はしゃぎ疲れて少し母の隣でおやつを食べていた時、船内放送がかかった。

どうやら観光スポット的なところを船が走っているらしい。

乗客は皆、甲板に向かった。

母に言われて私も甲板に向かった。

沢山の人がカメラやビデオカメラで撮影していた。

甲板について海を見渡した私はギョッとした。

波間から何本も人の手が出ていた。

まるで手招きするように。

周りの人は何事も無いように撮影していた。

母のもとへ走って戻り、上着を頭から被りアレはなんなのだろうと考えてみたけど疲れたのかそのまま寝てしまった。

中学に上がった頃、そこは観光スポットでありながら心霊スポットでもある事を知った。

写真を撮ると波間から手が出ているなど当たり前らしかった。

この件があってから、船では母の実家へ帰らなくなった。



No.6【水上花火】

お盆に母の実家へ帰るとたまに水上花火をやっている事がある。

実家の二階からは海が見渡せる。

その日は水上花火だと祖母が言うので小学生の私は二階のベランダにお菓子を持っていき花火の開始を待っていた。

当時は妹もまだ産まれてなく、母の実家に子供は私1人だった。

母は久しぶりに同級生との同窓会で留守の為、私は1人でベランダに居た。

花火が始まると同時に、妙なものがチラつく様になってきた。

花火が光った瞬間、夜の海の中に大きな人の様なものが肩から上を出しているようなシルエットが見える。

花火の光で目がチカチカしてるのかと思ったけど違った。

ソレはだんだん体を出しながら、ゆっくりと水上花火をしている船に近寄っていく。

腰辺りまで体を出して、船のすぐ近くまで行ったあたりで花火が止んだ。

スケジュール的にはまだ花火はやっている時間。

少し経って放送が流れた。

怪我人が出た為、花火は中止だと。

その後、母の弟の手を引っ張って海辺まで行ってみたがソレは何処にも見当たらなかった。

事故が起きたのはソレのせいなのか、そしてソレがなんだったのか未だに不明である。



No.8【コンセント】

小学校高学年、そろそろ母の実家で起こる事も慣れてきた。

お盆時期は一尾目に書いたように起きたら閉めたはずのふすまは開いているし、誰も居ないのに足音はする。

直面した時は怖くもあるが、きっとそんなものなのだろうと思いはじめてきた。

そう思い始めてきた時にそれは起こる。

妹も産まれ、珍しく父も一緒に母の実家に泊まった時だった。

仏壇の隣の部屋で家族4人で寝ていた。

深夜、ふとした弾みで目が醒める。

視界の端で何かがチカチカと光っては消える。

正体は仏壇の燈籠。

接触不良かなと思い、布団から出てスイッチを切ろうとした。

…?

スイッチは〈切〉になっていた。

こうなったらコンセントごと抜いてやろうと思いケーブルをたぐり寄せる。

…!?

スルリと私の手元にコンセントが握られた。

コンセントの入っていない灯篭は、私の隣でついたり消えたりしていた。

やはり御先祖様の方が私より一枚も二枚も上手である。




No.9【私は海に入れない】

中学生の時、二年ぶりに母の実家へ帰省した時の話。

その時既に精神は病んでいて、実家に到着した時安定剤が回っていて寝てしまった。

ふと夜になり小さい頃から行っていた浜にまだ行ってない事に気付いた。

水が少量入ったペットボトルとおやつを持ち、徒歩2分の浜へ。

誰も居ない静かな海。

当たり前か…と思いながら水辺をパシャパシャしていた。

月明かりが綺麗で、聞こえる音は波打つ音だけ。

病んでいた私は少しだけ心が洗われた様な気がした。

少し夜の海を堪能し、帰ろうとしたその時。

何が起こったか分からなかった。

一瞬で全身は濡れ、息をする事が出来ない。

右足が酷く痛い。

何かによって水の中に引きずり込まれて私は必死に大声を上げて抵抗した。

右足は動かず左足で何か〈グニャリ〉としたものを必死に蹴りつけていた。

久しぶりに帰省して肝心な事を忘れていた事に気付いた。

今はお盆で、ここは夜の海。

入るなと言われていたのを忘れていた。

本当に無我夢中だった。

気がつくと両脇を大人に抱えられ、私は浜に向かって海の中を歩いていた。

方言がキツくて何を言っているか分からなかったが、怒られていると言う事は分かった。

浜に上がり私の悲鳴で駆け付けていた人が私を懐中電灯で照らした瞬間、シンとなった。

ハーフパンツから出ている右足には人の手の跡の様なものが沢山ついていた。

恐る恐る裾をめくってみた。

足の先から太腿まで幾重にも人の手の跡の様なものが痣になってついていた。

家まで送り届けられ、祖父にこっぴどく怒られた。

後にも先にも、祖父に怒られたのはこれが最初で最期だった。

痣は一ヶ月以上残り、三ヶ月が過ぎる頃には綺麗に消えた。

その件以来、私は海に入れない。



No.10【帰る者】

高校生になり帰省した時。

同じ高校の後輩の家に遊びに行く事になった。

深夜二時。

いい加減そろそろ帰らないといけない時間。

他の子らよりも少し早めに帰路についた。

歩き慣れた道。

回り道したくないから廃病院とお寺がある細い路地を通っていった。

何件かある飲み屋の看板も消えていた。

早く帰って薬飲まなきゃなぁ…なんて考えていた時。

ズル…ぴちゃん…

そんな音が聞こえた。

んー、廃病院かな?ってそっちを見たけど特別何か居るような気配はしない。

お寺?ってそっちを見てもいつも通り。

高校生になる頃にはいい加減色んなモノを見てきて慣れてしまっていた。

気のせいかな?と歩き出した時、目の前の道からそれは聞こえた。

大きな満月を背に、何か〈人の様なモノ〉が遠くに見えた。

思わず下を向き息を殺した。

音は段々近づいてくる。

ひたすら息を殺し、目を瞑り微動だにしなかった。

私は過去にアレを見た事がある。

人が海で亡くなった時、体が水分で膨れ上がったモノだ。

近ずいてくる音はやがて私の横を通り過ぎ、そして小さくなり聞こえなくなった。

聞こえないのを何度も確かめ目を開けた。

ソレが通って行ったであろう場所は水で濡れ光っていた。

ふぅっと溜息をつき、足早に家路を急いだ。

次の日、浜に行方不明者の死体が上がった。

あの人は家に帰りたかったんだ。

そして帰ってきた。





2016年番外編 【私の勘】

何かマズイ事が起きる時、私の勘は良く働く。

1つ難点があるとすれば、〈1番重要な箇所が分からない〉と言う非常に残念なものである。

例えば地震が起こるとする。

だが起こる事は分かっても場所が分からない。

そんな残念な能力。

とある日の三日前、午前4時。

ふと目を醒ますと愛猫がケージの中段で窓の外を眺めてたのが薄明かりの中見えた。

これだけを見ると特に気に留めることは何もないと思われるだろう。

愛猫の姿を見て私の頭に浮かんだ事は

〖怪我か病気をして病院に行く事になる〗

と言う事だった。

愛猫は私と一緒に寝て、私と一緒に起きる。

7年間一緒に過ごしてきて1人で起きていて窓の外を眺める事など1度も無かった。

胸騒ぎがした。

部屋の電気を点け、愛猫のケージまで行き寝るようにケージの1番上まで誘導し、また寝ようとした時。

カシャンとケージが鳴り、愛猫は中段へ降り外を眺める。

いつもなら寝るように仕向けるとケージの1番上で寝るのに…

執拗に窓の外を眺める。

私も見てみたがその時には特に何も見えなかった。

愛猫が寝ずに窓の外を眺め始めてから3日目になる日の朝。

私は寝る事が出来ずにいた。

睡眠薬を飲み布団に入ったのは良いものの、その日は何故か人間の生と死が頭の中に思い浮かぶ。

産まれて、生きて、死んで、生まれ変わって…

考えている途中で、今日は眠れないな…そもそもこんな事考える時点で寝る気がないんだろうな…と溜息が出た。

時計を見たら朝の6時前。

休むだけ休もうと思い布団を被る。

愛猫は変わらず外を眺めている。

何か病気をするのか、それとも怪我をするのか…

兆候が出る前に病院に連れて行くべきか…

そんな事を悩んでゴロリと寝返りをうった時、母が食事を作る為にキッチンへ向かう足音がして祖父が何かを叫んでる声がした。

「救急車!救急車!」

母の怒号にも似た声が響き渡り一瞬頭の中が白くなった。

アレ?愛猫はなんともないよ…?

隣の妹の部屋のドアが凄い勢いで開いた音がした。

母は妹の名前を叫ぶ。

わ、私も…と思いながら私の名前は呼ばれなかったが…

部屋のドアを開け声のする1階へ駆け下りる。

母は私を見て

「まだ起きてたの!?今救急車来るから外出て誘導して!」

状況が把握出来ない私。

祖父と祖母の部屋へ走る。

そこには発作を起こした祖母の姿。

血の気が下がって倒れそうな体を奮い立たせ祖母の傍へ。

救急車が到着し、母と妹は付き添いで病院へ向かった。

連絡が来るまで祖父と私は待機。

とりあえず祖父にご飯を食べさせて薬を飲ませなきゃと祖父がご飯を食べているうちに部屋に携帯を取りに戻る。

部屋を開けて違和感に気付く。

愛猫がスヤスヤ寝ている。

もしやと思い愛猫の名前を呼ぶ。

アクビをしながらこちらを見る。

「もしかしてこーなる事知ってたの?」

愛猫は都合が悪い時の返事をした。

「伝える事が出来なかったの?」

ここでも同じく都合が悪い時の返事をした。

「そっか。伝え方が分からないもんね。」

そう言って私は愛猫の頭を撫でた。

「今日は忙しくなりそうだから構ってあげられ   ないかもしれないよ。

  でも良い子にしていてね?」

愛猫はミッと短く鳴き、また眠り始めた。

本当に私の勘は役に立たないな。

病院に行く事になるのは愛猫ではなく祖母だった。

いつもどこか大切な事が分からない。

母にそれを言うと

「でも女狐が起きててくれて助かったよ。」

と言われた。

そんな役に立たない、私の勘の話。



オマケ【記事作成秘話】

泣く子も黙り、草木も眠る丑三つ時。

そんな中明かりが灯る一軒家の一室から悲鳴が聞こえる。

…その部屋を覗いてみよう。

部屋には1人の美女(仮・笑)と黒と白のツートンカラーの美猫が1匹。

テレビ画面には英語だかドイツ語だか訳の分からない言葉でエンドロールが流れている。

先程部屋から聞こえてきた悲鳴はどうやら映画の音声だったらしい。

ふぁっとあくびをしながら彼女はスマホを取り出し書きかけのブログを開く。

どうやらこれから記事を編集するようだ。

ブログを開き何かを思い出したようにピカピカのタブレットで音楽をかけ始める。

恐らくだが…ちょっと怖いんだと思われる。

ピカピカのタブレットの隣には画面が割れてボロボロになったタブレットが置かれている。

喉が乾いたのか彼女はペットボトル飲料を凄い勢いで飲んだ。

所ジョージのCMでお馴染み、脱水症状の強い味方OS-1である。

かなり寒い気温のはずなのに少々脱水症状気味らしい。

よく見ると手が痙攣している。

いや、手だけではなくそこはかとなしに体中の筋肉が痙攣している。

だが慣れた様子でスマホに文字を入力していく。

少しして行き詰まったのか打ち込む手が止まる。

その瞬間彼女は突如立ち上がりジンギスカンを踊り始めた。

かけていた音楽もジンギスカンである。

どう見ても彼女の年代ではない事に酷く違和感を覚える。

いや、恐怖すら覚える。

もし深夜2時に隣の部屋でジンギスカン踊ってたら怖いでしょう?

だがそれよりも飼い主がジンギスカン踊り始めたのにも関わらず眠っている美猫が1番の恐怖である。

もしも深夜、ジンギスカンが聞こえてきたら気をつけた方が良い。

隣の部屋で彼女が踊ってるかもしれない…





怖かったですか?

くだらなかったですか?(笑)

ブログの編集はほとんど夜になる為、思い出して書いてる女狐自身が怖いので作成秘話を取り入れてみました。

ジンギスカン、聞いてます(笑)

ジンギスカン聞いたりハローミスターモンキー聞いてみたり。

ちなみにオマケ内での美女は女狐の自己満足なのでお気になさらず。

だったら良いなぁっていう願望です…

このブログがお暇潰し程度にでもなれば幸いです。



ブログは手の痙攣や視力の低下等がある為、かなりゆっくりな不定期更新になります。

それでも読んで貰えたら嬉しいです。

そして今日(21)と明日(22)は妹と女狐の誕生日。

楽しい誕生日になれば良いな。


いつも長々と読んでくれてありがとうございます。






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